三叉神経痛・顔面痙攣

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三叉神経痛・顔面痙攣
(鍵穴手術)について

三叉神経痛・顔面痙攣(鍵穴手術)について

三叉神経痛は、一側顔面の激しい痛み(電撃痛)が、特に顔面に触れるなど刺激によって誘発される病気です。

 

片側顔面痙攣は、まぶたや口角に細かい痙攣を生じる病気で、時にまぶたを開けていられない位に進行することもあります。


脳腫瘍などが脳神経を圧迫して生じる場合もありますが、多くは脳血管が脳神を圧迫することで生じるとされます。手術によって、圧迫している血管を神経から離すことで、多くの患者さんは症状が劇的に改善します。この手術を鍵穴手術(微小血管減圧術)と呼びます。手術以外にも内服治療や局所注射による治療があり、手術を行うかどうかはよく相談して決めています。

 

この二次元画像から3次元画像を作成し、診断と治療に役立てています。


実際の鍵穴手術
(片側顔面痙攣)

40代の女性、数年来の左眼瞼および口角周囲の痙攣になやまされていました。

MRI(A)にて血管(前下小脳動脈)が顔面神経を圧迫しており(矢印)、片側顔面痙攣と診断することができました。

眼科でのボツリヌス治療が一時的に奏功したものの、その後、痙攣が再発し今回、根治手術である鍵穴手術を行うこととしました。


手術前に三次元融合画像 (B)を作成し、脳幹、顔面神経(黄色)と椎骨動脈や脳底動脈の位置関係を明らかにしました。

 

前下小脳動脈が顔面神経を圧迫(矢印)しており、この圧迫が今回の顔面痙攣の原因であると判断し、手術治療を行うこととしました。


手術(C)では500円玉サイズの小開頭 (青丸)を左後頭部におき、鍵穴手術をおこないました。

 

その深部(D)に顔面神経の根元を圧迫する血管(前下小脳動脈)が確認されました。(D: 3次元融合術前画像)(E: 術中顕微鏡画像)

その後、責任血管を白い繊維で吊り上げて移動し、フィブリンのりで固定、血管による神経の圧迫を無事に解除することができました(F: 術中顕微鏡画像)。 

手術所見は術前のシミュレーション通りであり、安全に予定の手術を遂行することができました。患者さんは痙攣が消失し、大変喜んでいただけました。